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2019

『「チームのため」の意味』仲二見篤

第1戦vs武蔵大学まであと1日。

4年生のブログ第8回はMF#99仲二見篤です。

ASPACを経て彼はどのように変化したのでしょうか。

最後までぜひご覧ください!


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幸か不幸か、リーグ戦初戦の前日にブログがお披露目されることになった。士気の高まる重要な日に、僭越ながら自分のポリシーについて、話をしたい。


強い人間になりたい。部活をする上での自分のモチベーションはここにある。

だから、「チームのため」という言葉が嫌いだった。これだと語弊がある。「チームのため」という耳障りの良い言葉を笠に着て、自分の弱さと向き合わない姿勢が嫌いだった。

常に自分に厳しく、自分の成長のために努力することが、結果としてチームのためになる。3年とちょっと、自分はこのポリシーを守り続けてきた、つもりだった。

転機は、今年度、全国強化指定選手というものに招集されたことだった。



一言で言えば、予想外すぎる招集。しかもまさかのATでの招集だった。ATなんてやったことがない。

練習会では、動きがわかっていないと散々怒られ、強化指定選手にあるまじき初歩的なミスまで。周りの視線の中に、いや、それ以上に自分の中に、「なんでこいつ、選ばれてるんだ?」という疑問を感じてしまった。


つらい現実からはなんとなく目をそらしつつ練習会をこなし、ASPACに参加することになった。ASPACはアジア限定ながら、国際大会。つまり自分は、学生日本代表になったということだった。

スポーツをする上でこんな光栄なことはない、のだが、実力以上の箔を与えられた重圧は拭えず、「穏便にミスなく大会を終えたい」という、弱気極まりない思いで日本を発った。




しかし、大会2試合目、オーストラリア戦。自分の立ち位置の悪さから、チームメイトが放ったシュートが顔面を直撃。得点チャンスを奪ってしまった。なんとも無様で、恥ずかしいミスだった。

このままATを続ければ、自分が下手で活躍できない、ではすまない。チームに迷惑がかかってしまう。そんな焦りから、自分は鈴木コーチに進言した。


「自分をMF(本来のポジション)で使ってもらえませんか」「MFの方が、まだチームに迷惑かけないと思うんです」


そんな自分に、コーチは厳しかった。


「この大会は、仲二見が気持ち良くなるための大会じゃないよ」


自分では「チームのために」ATでの出場は避けたいと本心から思っているつもりだった。

が、深層心理では、「これ以上みじめな思いをしたくない」逃げの一心だったのだろう。その気持ちを見透かした、コーチの目は冷静だった。

発言を反省して個人指導をお願いし、大会はATとしてやり遂げた。途中からは大したミスなく、点も取れるほどに成長できた。MFに逃げていたら、そんな成長もなかったかも、と大会後に思った。



自分が苦しい立場に置かれれば、こうも発言は変わり、ポリシーなんて消えてしまうのか。自分はまだまだ、そんな情けない人間だった。これからはどんな苦境にも耐えうる核を持とうと決意したきっかけだった。


さて、来たるリーグ戦でも、苦しい時は必ずあるだろう。自分やチームのミス、実力不足が露呈すれば、恥ずかしい思いは尋常ではない。ただ、そんなことも、あって良い。みじめなミスも、下手な現実も、全部素直に受け止めて、修正してこそ、逞しくなれる。


「4年間の集大成」なんて言葉はまだ早い。リーグ戦期なんて1番成長できる時期だ。引退せざるをえない最後の最後の時まで、自分は自分のために、そして真に、「チームのために」今を大切にして、強くなる。



4年 MF #99 仲二見篤


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