同期で最後に入部したしょうえいから回ってきました。彼の数ある最低エピソードの中で、雷を怖がる後輩マネージャーを後ろから驚かせて空気を凍らせた話が一番好きです。実は来年もリーグ戦に出られるので、来シーズンはダークホースとして活躍してくれるかもしれません。
ついに引退ブログを書く時が来てしまったのかということで何を書こうか迷っていましたが、3年Bから4年Aになってリーグ戦に出られた理由は何だと思いますかと後輩から聞かれることがたまにあるので自分なりにその答えを考えてみました。
自分のラクロス生活はあまり順調といえるものではありませんでした。4年間を振り返ってみると最後の一年間以外はラクロスが楽しいと思えた時間ではなかった気がします。
1年生の6月末に入部を決めた自分は、同期よりも約2ヶ月ほど遅れており、すべてのことがうまくいかなくてしんどい日々を送っていました。Cチーム時は常に評価が最下層、評価練でFOのぼびとMD最下位争いをしていたことを覚えています。基本的に試合に出ることもなく、ウィンター、あすなろに出た記憶はほとんどないです。2年生でBチームの練習が始まりましたが、この1年間もラクロスを楽しいと思えた時間は少なかったです。練習は同期ばかりでコーチも愉快な人達だったので雰囲気は楽しかったのですが、練習試合はほとんど負け、Bリーグで勝った試合もAチーマーの力がほとんどでした。この2年生の途中から部活を続ける理由が感じられなくなり、このまま辞めてしまおうかどうか迷うほどでした。同じ気持ちで途中でやめていく同期達を引き留めることはできませんでした。3年生の時もほとんど変わらず、モチベーションの上がらないまま3年Bチーマーとして過ごすことになりました。
3年Bの人が4年の試合で活躍するのは難しいという話は、まさにその通りだと思います。フリートークでも話しましたが、スポーツにおいて上手い人は試合に出て経験を積んで行き、チームの勝利に責任を感じて自主練をするようになる。一方で下手な人は基本的に上手く行かず、試合に出られず、自主練をする意味を感じられないため成長速度は遅くなっていく。その差を埋めようと頑張れる人間はそう多くはありません。そう思える人はそもそも下手な人ではないと思います。
つまり、基本的に上手い人は、自然と上手くならなければならない環境にいるため上手くなりやすく、下手な人は刺激もなく、低いレベルしか知らないままほぼ現状維持に近い形で進んでいきがちな環境にあると思います。こうして1年間や2年間と時が流れ、ある時ふと見上げると、上手い人と自分の差が果てしないものになっていることに気づきます。本当に同じ時間ラクロスをしてきたのかと恥ずかしくなるんです。目を背けたくなるその事実は、完全に自分の怠惰が産んだもので、言い訳をすることはできません。
自分がそのことに気づいた転機は、3年生のころAチームのファルコンズの合同練を休んで勝手に出場したスプリングカップでした。当時3部の東京経済大学に4-5で敗北し、そこで試合終了間際に左足の後十字靭帯を損傷しました。相手は3部でロングとショートを掛け持ちしている選手もおり、当時は雰囲気もかなり緩いチームだったと思います。そんなチームに勝てなかったということに、自分のこれまでの練習はこの試合で何もできないくらいしょぼい程度のものだったのかと、これまでの取り組みはほぼないもの同然であったと気づきました。このままでは入部当初目指していた姿には確実になれないんだと、このタイミングで気づくことができたことは自分にとってかなり幸運なことだったと今では思います。ここで赤津さんが『富士山5合目』という新歓ブログで言っていた覚悟を決める続けるための「覚悟」ができたと思います。
これまでの差を埋めるためにどうするか
そこでみんなはもっと頑張ろうとこれまでの練習量を増やさなければと考えると思いますが、すでに先を走りさらに進み続ける人間に同じ道を辿って追いつくのは非常に難しい。元のスペックに差があればなおさら追いつくことなど不可能です。
そこで、この怠惰によるギャップを4年から逆転するために、チャレンジというか少しの賭けに出ることにしました。
それは、新しいこと、人のやらないことにたくさん手を出してみることです。
24シーズンはこれまでになくいろんなことに挑戦しました。
1on1で勝てなくて体重を80kg弱まで増やしてみたり、膝が痛くて結果的に68kgまで落としたり、アウト中にインスタやYouTube で見つけた変なトレーニングをやってみたり、ここにきてシュートの撃ち方を変えてみたり、まるで強みじゃなかったカットインを勉強してみたり、諦めていた裏1on1をやってみたり、捨てていた左ランを復活させたり、諦めて左ジャンにシフトしたりとチャレンジと失敗の数はここに書ききれないほど多かったと思います。そしてそのフィードバックをするために恥を捨てて人に聞くようにしました。練習試合の対戦相手でも社会人でも2個下の後輩でも、勝っても負けても恥を捨ててフィードバックをもらいに行きました。練習試合後の相手に聞きに行くのは、そんな人ほとんどいないので結構勇気がいりますが個人的にかなりおすすめです。
正直今までやってきたことを捨ててまで新しいことをやることにはそれなりのリスクが伴います。自分もフォームを変更しすぎてシュート速度が大幅に落ちたり、カットインの反省をしすぎて1on1の勝率が落ちたり、ランシューの撃ち方を変えて点が一切入らなくなったり、練習試合の相手によくわからないことを言われて迷走したりと改悪になった取り組みはたくさんあります。
実際、シーズン中はこの失敗に対する不安でいっぱいでした。こんなやり方でうまくいくのかとか、もしかしたらすべて失敗して退化するんじゃないかとかそんな思いがよぎることは多々ありました。同ポジションの後輩達は前シーズンからAチーマーの人も多く、みんな運動神経も良かったため、実は自分にとって1番の危機感の源でした。幸い後輩とは非常に仲が良く、互いに愚痴を言い合える関係だったのでポジション争いはかなり穏やかに進んで行きましたが、上手いプレーが出ると内心めちゃくちゃやばいと思う気持ちを抑えてナイスプレーと絞り出していたのを覚えています。新しいことがうまくいかない時に、他の人に「それ辞めたら?」と言われることも結構多く、チャレンジを辞めるタイミングはたくさんあったと思います。
ただ、一度落ちてしまった人間が、現状と同じやり方で他の人を超える何かを得ることができるとは到底思えませんでした。他の人が失敗への恐怖から取ることのできないリスクを背負うことで、他の人を超える成長速度を生み出すことができる。個人的にそう考えました。
そしてそのリスクをとれたのは、何かに取り組んでたとえ明らかに失敗しても、それが別の分野で生きることがあると周りを見て知っていたからです。元野球部が元ラクロス部よりもシュートが速かったり、元バスケ部の1on1が元ラクロス部よりも強かったりすることを考えるとちょっとわかるかもしれません。
こうしたちょっとした賭けは、結果として成功したといえるものになったと思います。ショートとの1on1では相手が学生でも社会人でも誰でも勝てる自信があったし、当初捨てていた対ロングでも上であればある程度は勝てるというくらいまでにはなりました。
これが自分が考えた4年ちょっと前からの逆転作戦でした。
実際には周りが辞めすぎて、気づいたら4年MDが2人になっていたという運も非常に大きな要素だったと思いますが、それ以上にこの作戦がうまくいったことが大きな理由だと思っています。
ただ、それでも勝てなかった。当初の自分の想像超える成長ができたとしても、森みたいなチームを勝たせるような人間にはなれかった。
試合が終わって、結局点を取るのが森頼りになってしまっていたことをすごく後悔しました。あそこでこうしておけばとか、あの時撃っていれば、パスを呼んでいればとかいうタラレバは何の役にも立たないんです。そして、それは4年生になって引退してからようやく分かるようになることだと思います。だから毎年毎年、引退ブログでは同じようなことが書かれるんだとようやくわかりました。みんな自分の後悔を後輩に気づいてほしいと思ってブログを書く。けれどもそのブログの内容を本当に理解するのはその後輩が引退してからになる。そしてその後輩も同じように後悔をして、それをここに残していく。
だから後輩の皆さんには、どうして欲しいみたいなことはないです。こうならないようにとか、同じ後悔をしないで欲しいとかそうしたメッセージをこれまで幾らでも見てきましたが、その大切さを本当に知ることができるのが引退後だと気づいた時、得た教訓を後輩に伝えることにそこまでの意味がないのかもしれないと感じました。
ただ、皆さんが幸せな引退を迎えられることを祈っています。
最後に
24OF陣
町田が24シーズン初めの集合で、「去年の方が全然強いけどな」とボソッと言っていたことを覚えています。そこから俺たちへの評価は変わったのでしょうか。シーズンを通して、OFが弱いと言われ続け、みんなかなりつらい時間を過ごしたと思います。社会人のオフェンスを丸パクリしてみたり、わけのわからんセットプレーを作ったりと試行錯誤して、たまにうまくいって大はしゃぎするあの時間が大好きでした。シーズン終盤は練度が上がり、点が入るたびにこんなにすごいOF陣なんだと他大にアピールできた気がして自分が決めてもないのに誇らしく思っていました。この最後のシーズンを最高の1年にしてくれたのはみんなのおかげです。もうあのメンバーでわいわいミーティングすることも、観客で埋まったスタンドで応援されながらフィールドでプレーすることも、みんなでゾンビネーションで奮い立つことも、点を決めてみんなに囲まれて充足感に浸ることもできないんだと思うと寂しい気持ちでいっぱいになります。そろそろ誰かがOF会を開いてくれることを楽しみにしています。後輩は来年頑張ってください。同期はこれからもよろしくお願いいたします。
登戸の人たち
実は結構心の支えになっていました。いじられすぎてイライラしたこともありましたが、マックを食べてしゃべりながら壁当てに来る後輩たちを見るとどこかうれしい気持ちになっている自分もいました。真剣な悩みを話しても誰も聞いていなかったり、ほぼ壁当てせずにずっと部内スキャンダルの話をしていたりとその緩さがとても心地よかったです。今年はついに佐伯とおっくんを幹部として2人も輩出することができたので大成功です。今後の南武線勢力の拡大に期待しています。
両親へ
これまであらゆる面でサポートしてくれて、本当に感謝しかありません。部活について話してくれるちょっとした時間が部活を続けるモチベーションにもなっていました。結果として勝利で終われなかったこと、そして、ここまでずっと部活生活になってしまったことを少し申し訳なく思っています。本当にありがとうございました。今後もご迷惑をおかけすると思うのでよろしくお願いします。
次は、今シーズン膝のテーピングでかなりお世話になったとーこです。引退飲みでこのまま一人で死んでいくんだと嘆いていたので誰か拾ってあげてください。