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2019

蕏塚さやかのSERPENTS図鑑vol.8 原田浩樹

泣いてる姿目撃率NO.1原田浩樹。浅野生のプライドと誇りを懸けた彼の戦いが始まる


「石川稜さんとリーグ戦を一緒に戦いたい」


その思いを達成できなかった昨シーズン。悔し涙をのみながら練習に励んだ今年、ベンチメンバー入りを果たした男は、3年MF#18原田浩樹。浅野高校サッカー部出身だ。同じ出身校である2017年卒のAT#10井口真さん、昨年主将AT#7石川稜さんのかっこよさに憧れ、入部を決めた。


1年の冬、新人戦であるWINTERが終わったあと、オフ期間に入ったが、彼はほぼ毎回上級生の練習に参加していた。


「稜さんと練習がしたい」


ただその一心だった。5月の練習試合で彼と稜さんで合わせて4点得点した時は最高の気分だった。


「浅野生で4点だ!嬉しいな、浩樹!」


ととても喜んでいる稜さんを見て、本当に嬉しかった。


昨年2年の時に迎えた東京大学との定期戦である商東戦のベンチメンバーに選ばれた。稜さんと大きな舞台で闘うことができる、はずだった。

しかし、現実は厳しかった。ベンチにはいるが、フィールドには立てず。ただベンチを盛り上げるのに必死だった。そして、夏のリーグ戦直前、彼はベンチメンバーから外れた。リーグ戦に出るには、まだ力が足りなかった。

DFの力が弱すぎて、《コーンみたいだ》、と怒鳴られることもあった。


「悔しさと言うか、尊敬している人が見ているといいところを見せたいのに見せられなくて、それが惨めで、泣いてしまった。憧れの稜さんとリーグ戦で活躍すると言う目標を見失って、きつかった」


同期には何人かベンチメンバー入りをし、実際に活躍している人もいる。だがそこに並ぶことができない自分。


「何やってるんだろう」


練習に身が入らなかった。気づくとチーム内評価では、リーグ戦出場チーム入りには程遠い位置にいた。そんな今年の1月。稜さんの代の引退式で、稜さんに花束を渡し、自分がその夏に頑張りきれずに、稜さんと試合に出られなかったことを改めて思い出し、涙を流した。

その後、2018年卒のMF櫻井一登さんから、彼を心配する励ましのLINEが来た。それを受け取った時、ハッとした。


「自分を応援してくれる人がいて、そこに応えるだけの実力がないのに、練習もしなければ上手くなるはずがない。自分のことしか考えてなかった」



当時の自分の実力のなさと応援してくれる人への申し訳なさとで、彼は再び、涙を流した。櫻井さんからのLINEをロック画面に設定し、憧れの稜さんのことも頭に浮かべて、やる気を奮い起こした。


「自分には何が必要か」


そこを突き詰めた時、プレースタイルが似ている現4年MF#99仲二見篤に《弟子入り》した。ランメニューでは仲二見の横で走り、練習中もたくさん聞いた。

そんな仲二見の言葉で彼の心に残っている言葉がある。


「俺たちはあらゆる数値で一番上にいなきゃいけない」


力強いショットを持ち味とする彼らのプレースタイルにおいてはフィジカル面でトップ層にいないとやっていけない、そういう意味だ。だから彼は筋トレに力を入れるようになった。毎日何があっても筋トレだけは欠かさなかった。専属プロTRの方に提示していただいたメニューに加えてyoutubeで検索して、自らメニューを作って、実行した。1on1で先輩に負けて涙を流していた小さな身体はもう跡形もない。


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彼が今年思い浮かべる憧れの舞台は、2年前のFINAL4の舞台だ。試合前にはハイライトを観て気分を高揚させる。


「あいつが持ったらやばい、そう言われる選手になりたい」


家で自らが得点し、ゴールパフォーマンスをする姿を思い浮かべているという。そう話す彼はこれまで先輩達に憧れ、背中を追いかけてきた。これからは、彼が誰かの憧れとなり、与えられる側から与える側へとなっていく。彼の全力シュートでチームを勝利へ。どんなゴールパフォーマンスを魅せてくれるか、期待だ。




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