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2024

『自己実現』MG 長倉希空

1年前、気合い入れの金沢旅行をしたのが懐かしい、あずみんから回ってきました。シーズン中は一緒に悩み、一緒に怒って、一緒に笑ってくれた人です。あずみんの存在なしの部活生活は考えられないくらい、私にとって大きな存在です。にも関わらず、最近あずみんに春が訪れたことを知りませんでした。彼女にとって私はその程度の存在ということでしょうか…しくしく



平素より多大なるご支援とあたたかい応援をしてくださるOBOG、保護者の皆様に心より感謝申し上げます。23,24シーズンでMG長を務めました、長倉希空です。


引退してから3週間が経ちました。

同期の例にもれず、私も虚無感を抱えて生活しています。

日本一を目指していた日々があまりにもまぶしく、これから先の40年、労働力として搾取されるだけの生活が待っていると思うと震えあがる毎日です。



さて、引退ブログで書くことがついに思い浮かばず、〆切当日になってしまいました。

後輩に言いたいこと、伝えるべきことはたくさんあるはずなのに、自分は日本一を獲れなかったMGであるという事実が頭から離れず、十字架のように私を縛りつけます。

何かを語ろうと思っても、私の立場で偉そうなことは言えないな、という気持ちにさせられてパソコンを打つ手が止まってしまいます。

肩書きに縛られるべきではないことは十分承知ですが、日本一を目指すチームにいた以上、結果を残せなかった悔しさは消えません。

一生この気持ちと添い遂げなければならないのか、と思うと負けて引退したことは想像以上に辛いです。

ラクロスで得た傷はラクロスでしか癒せない、というようなことをいう人がいますが、その論理で言えば、引退した私には傷を癒すチャンスすら回ってきません。

今はひたすら、”来年”がある後輩がうらやましいです。無限の可能性が広がる新シーズンを前に、勝者たる行動をひたすら積み重ねてほしいと切に願います。



ようやく本題です。

私は、SERPENTSで得た最大の財産だと思うものについて話そうと思います。

それは「他人を信じることができるようになった」ことです。


断っておくと、過去に信頼する人間から盛大な裏切りを経験したわけでも、心に闇を抱えているわけでもありません。

が、私は普段人と関わる時、相手がどんなに親しい人間であっても、その人のことを信じすぎない、ことをモットーにしています。(MBTIが同じINFJの大橋くん(なにわ男子)も似たようなことを語っていたので、INFJあるあるなのかもしれません)



人を信じることは、怖いことです。勇気が必要です。

なぜかといえば、自分の努力が、人生が、他人の1つの言動で否定されるかもしれない、裏切られるかもしれない、報われないかもしれないからです。

純度100%の気持ちで相手を信じることは、生殺与奪の権を相手に与えることに近いとすら感じます。私にとって、相手を80%くらい信じて20%くらいは疑いの心を持っておく、というマインドは健やかに生活するための一種の自衛のようなものです。




でも、あの日FINAL4のスタンドには、試合終了の笛が鳴る瞬間まで全く偽りのない気持ちで「勝ち」を信じている自分がいました。

4年間の集大成、4年間の答え合わせともいえるあの場所で、自分の過去、現在、未来を預けてもいいと思える仲間がいました。



なぜか。

それは、4年間をかけて他人を信じる努力をしてきたからだと思います。



TSは選手を信じることしかできない無力な存在なのではなくて、

自分ではプレーできないからこそ、ゴールを破ることも守ることもできないからこそ、

相手を心の底から信じられるようになるまで誰かとぶつかり、干渉し合い、内なる思いや弱さをさらけ出して、仲間になる努力をしなければならない存在なのだと思います。



TSとしての4年間は、選手やコーチを信じるための裏付けをし続ける時間であり、

TSとして日本一を目指すことは、自分の存在意義を疑い続けることだと私は考えます。


天賦の存在意義など自分にはなくて、チームにとって必ずしも必要な人間ではないとまで思いつめていたからこそ、自分がこの部活に存在する意義を考え続け、作り続ける努力をすることができました。


よく、友人から「なぜ大学で体育会のMGをやるのか」「なぜ自ら進んで支える側に回るのか、大変ではないのか」と不思議そうに聞かれます。

誰よりも早くグラウンドに集合して準備をするのも、選手が外したボールを拾うのも自己犠牲ではありません。自己実現です。日本一という最大の自己実現をするために、SERPENTSに入部しました。MGとして、グラウンドでは1秒でも無駄にしないように時間管理に命をかけて、選手が見やすいビデオを撮るため画角や声入れにこだわり、1球でも多くシュートを打たせるためにボールを拾い続けてきました。全てはリーグ戦での1点につながる、かもしれないから。全く根拠のない、因果関係を証明する方法もないことをずっとひたすらに信じて4年間やってきました。


その間、選手と衝突することも、同じMGに不信感を抱いたこともあります。でもその度に、自分の思いを素直に伝えて相手の考えを理解できるように努めたつもりです。自分の本音や弱さをさらけだすことで、相手を知る。これが私の”他人を信じる努力”です。




とはいえ、選手やコーチを信じられたのは、彼らが最後まで日本一を獲るための努力を重ねてくれたからです。これが最後まで私に勝利を信じさせてくれた、最大の要因です。

特に同期は、私生活も、時に学業、将来までをも投げうって、勝者たる背中を見せ続けてくれました。

TSとして、最後まで勝ちを信じられたことはこの上ない幸せです。

ずっと頑張り続けてくれてありがとう。おつかれさま。




結果、日本一は達成できず、一生消えない悔しさを抱えたまま引退することになりました。それでも、日本一を目指してSERPENTSを選んだ選択を後悔していません。4年をかけて、自分や誰かを信じて協働することの素晴らしさを学べたからです。


でも、日本一という結果に勝る財産はありません。

今の私が何を言っても漱石枕流、虚勢を張っているだけだと言われたらそれまででしょう。


後輩のみんなへ。

SERPENTSにいる以上、なにがなんでも勝ってほしいです。

リーグ戦の結果だけでなく、日常の節々で弱い自分に打ち克ってほしい。

日本一を目指す姿、勝者たる姿を見せてくれることをこれからも期待しています。




個別の感謝は、追いコンの頃までに手紙にしたためて贈ろうと思うので、割愛します。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




次は、SERPENTSの主人公こと横田くんです。横田くんがいると、迷走しがちな議論も正しい方向に戻してくれます。グルディスで一緒だったら無双しそうで嫌です。が、彼は夜になるとミーティング中でも目を閉じてしまうくらい夜ふかしが苦手なので、論破したい人は夜が狙い目です。Cコーチとして、後輩に慕われる横田くんはどんな想いを綴るのか。いまから楽しみです。


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