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2019

『All eyes on me』田中貫大

第1戦vs武蔵大学まであと2日。

4年生のブログ第7回はLSM#46田中貫大です。

彼のアツい心の内を、ぜひ最後までぜひご覧ください!


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期待されたかった。

誰もが憧れるスタープレイヤーになりたかった。

ベンチも、観客席も、全員が固唾を呑んで俺に注目してる、俺の、プレー1つ1つに、歓声が沸き起こる。

そんな風になりたいってずっと思ってた。



小学校では小学校のソフトボールチームの4番レフト。中学の時は、周りよりちょっとだけ高い身長を活かして、バスケ部のセンターとしてチームを支えられていた。どちらも強いチームではなかったが、監督も、チームメイトも、俺を信用してくれていた。


高校生になって、身長が全く伸びなくなって、俺より小さかった奴らにグングン追い抜かれた。いつのまにか、チームの中で小さい方から数えた方が断然早いくらいになっていた。それでも、意固地にインサイドプレーに拘ったけど、身長はガッツで何とかなるものじゃないと気づいたときには高校2年の夏になっていた。焦って外角のシュートとドリブルの練習を始めても、今までそれを武器にして戦ってきた奴らには全然追いつけなくて、周りとの差はどんどん開いていった。


高校2年の冬の奈良遠征、顧問が俺をコートから呼び戻してこう言った。


「お前には何も期待してない。キャプテンが使いたいって言うから使ってるだけ」

なんで俺こんなに頑張ってるんだろうって思った。期待してないなら、最初から出さなければいいだろ。毎日家に帰ってからもやってたフットワークも、リングの代わりに道路標識に打ったシュートも、全部、必要なかったのか。そう思うと、なんかもうどうでもよくなった。いつのまにか、なんか負けて、なんか引退してた。引退試合でさえ泣けなかった。



大学生になって、やっぱりスポーツはしたくて、ラクロス部に入った。
ラクロスは新鮮で楽しかった。もともとディフェンスの方が得意だったから、ロングになってからは特に、自主練も、バスケの時とは比べ物にならないくらいした。日が暮れるまで何時間も壁当てしてたし、クリスマスも正月もクロスを握ってた。ランも、筋トレも、周りに負けないように頑張った。


年明けの評価練で、ロングでは江口*1と俺が二年枠でAチームに入れてもらえた。
練習は、レベル高くて、先輩怖くて、初めてちょっとだけ辛かった。



その年の3月、16SERPENTS追いコンの日。
酔っ払った全さん*2に、
「おんなじ位かと思ってたけど、お前より江口の方が全然うめえ」

って言われた。


ああ、また。また俺は、期待されてない。そう思うと悔しくて、憎くて、涙が止まらなくなった。バスケの時とは違った。ラクロス初めてまだ一年弱だけど、好きで、本気になってたから。


その気持ちを立川さん*3にぶつけたら、立川さんは
「よかったな、江口がいればお前は強くなれるぞ」

って言った。


チームメイトを憎いって言って、怒られるかと思ったけど、よかったなって言ってもらえた。

憎いとか邪魔だとか、そういう感情を使ってでも強くなっていいんだ。そう思うと気持ちが楽になって、妬み屋で鬱屈した自分の性格を肯定できるようになった。


(*1 4年DF#47江口友祐。2年時からリーグ戦のベンチ入りを果たし、19SERPENTSのDFリーダーを務める。*2 18卒伊藤全さん。17SERPENTSの副将を務め、オールスターに選出される。現在も社会人ラクロスチームStealersに所属。*3 17卒立川大貴さん。16SERPENTSの主将を務めたほか、現在もGMとしてチームに携わっている。)




4年になった今でも、たぶん自分を動かす1番の原動力になってるのはそういう部分で、自分よりうまいプレーをしたやつ、自分から点を獲ったやつが、自分より上にいるやつらが日々憎くて憎くてしょうがない。そいつらを後ろから引っ張り倒して、自分がみんなの注目を浴びるために毎朝起きてラクロスしてる。たまに憎さが許容量超えて色んなところ殴ったりするのはごめん。


4年間、溜めに溜めまくった鬱憤を、このリーグ戦で全部出し切って、ここでようやく江口を追い越して、俺がスタープレイヤーになる。リーグ戦終わった時に、「かんたを注目選手にすればよかった」ってみんなに言わせよう。みてろ。




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