第2戦vs立教大学まであと6日。
4年生のブログ第10回はSTF須藤慶です。
アナライジング業務を行う彼の想いを、最後までぜひご覧ください。
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「最後にチームを勝たすのは選手だ。その選手を辞めるならばいる意味がない。俺だったらすぐに退部する。」
チームスタッフに転向した僕に、追いコンで酔った棚さん*1が言い放った言葉。
直後はこの無神経な発言に腹立たしく思った。
けれど、大切なことに気付かされた。これは僕にとって転機で、今のモチベーションに繋がっている。
(*1 19卒棚橋開輝さん。4年時にGからBコーチに転向。鋭い頭脳を生かしてBリーグ勝利に邁進した。)
右前十字靭帯断裂、半月板損傷、外側靭帯断裂。2年夏にした怪我だ。
まっすぐ歩く練習から始まり、復帰までの10か月のリハビリが必要だった。まあ長い。
応援してくれている親やトレーナー、先輩・同期に、プレーする姿を見せることを目標にその日々を送った。
しかし復帰後再び、部分断裂。診断が下された瞬間に心が折れた。初めての感覚だった。
二秒後には選手から退くことを決めた。
そう、チームスタッフへの転向は消極的なものだった。
やり切っただの、ほかの貢献方法を見出だしただの、そういったまっとうな動機ではない。
意思決定までのその過程に今でも申し訳なさを感じている。
マインドセットができないままに、チームスタッフに転向したため、悩むことが多かった。
選手は勝敗に直接的に関わる立場。存在意義が非常に明確だ。
一方、チームスタッフはどうだろう。
活動が数字として見えてこない。形として残りにくい。可視化できないため、選手のようにポジション内で、一橋内で、大学間で、競争することが難しい.....
悶々としていた。
そんな時に、棚さんにさきほどの言葉をぶつけられた。
実は棚さんは同時期に膝を切ったリハビリ仲間である。ともに長いリハビリを送る中で、棚さんは「俺がゴールを守って1点も入れさせなかったらチームは勝つ。復帰して細井*2を抜いて一枚目になる。」と言い続けていた。
(*2 4年G#4細井雄介。当時3年生ながらも一枚目ゴーリーとしてリーグ戦で活躍。)
棚さんらしい無神経な言葉であったけど、その背景に「負けに責任を持てるか」という内容があったのかな、と今では解釈している。
勝利への執着でなく、敗北への責任。
負けに責任を持てることまでいかないと、部活にいる意味ないな。そう感じた。
だからこそ、チームスタッフに転向してからは、データやSCTに特化した活動をしていて、とてもやりがいを感じている。
今年のリーグ戦ブロックはどこが勝ち負けるか、全く読めない。
今は対戦校を分解し整理し、選手がやる事を明確にして、試合に臨める環境をつくる。それに徹する。そしてチームを勝たす一因になる。
そして、チームスタッフもチームを勝たせることを証明して、棚さんを見返したい。
(須藤の憧れのチームスタッフ、19卒伊藤顕司さんと。彼も須藤同様、前十字靭帯損傷によりTRに転向。リーグ戦時の応援を率いたほか、チームのフィジカル強化を進めた。)