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2024

『海を見る』STF 清村祥伍

引退ブログのトップバッターを務めることになりました、STFの清村祥伍です。

まさかですよね、私もすごく驚いています。


まずはじめにこの場をお借りして、SERPENTSに関わる全ての皆様から平素より多大なるご支援・ご声援をいただいておりますこと、感謝申し上げます。

特に今シーズンは、コロナ禍により交流機会が減り希薄になりかけていたOBOGの皆様との関係を再度築き直すことをも目標としたシーズンであったため、例年以上に大先輩の皆様とお会いする機会があり非常に嬉しかったです。さらに、今シーズンからはスポンサー活動も始め、初年度にして多くの企業様から温かいご支援をいただくことができました。この場をお借りして感謝申し上げますとともに、来シーズン以降も弊部とより一層良好な関係を築き続けていただけますと幸いです。



さて、引退ブログという4年間の大学生活の集大成を記した対外的発信、(まさかの)トップバッターという立ち回り、何を書こうか非常に悩みました。ただ、私がこの部活に入部した理由やSTFに転向した話などは新歓ブログでもない以上は不自然かと思ったので、はじめに4年間の活動を経て感じていることを率直に書き残そうと思います。次に今年のリーグ戦について、そして最後にお世話になった方々へ感謝を述べさせていただきます。3部構成と長くなりました(最後まで読み飛ばしていただいても構いません)が、それでは始めます。


【第一部】

私の大学生活4年間は「良くも悪くもラクロス”ばかり”やってきた4年間」でした。

大学の講義はコロナ禍によるオンラインが中心で、単位はほとんどオンデマンド授業のおかげで取得できました。アルバイトとラクロスをして、ときに遊んで、本当に好きなことだけをやったきた4年間だったなぁと今振り返ると同時に、少し後悔と反省があります。その後悔と反省の正体を明らかにする前に、私が卒業した高校の校長の2011年卒業式スピーチの一部を紹介します。

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「大学に行くとは、『海を見る自由』を得るためなのではないか。言葉を変えるならば、『立ち止まる自由」を得るためではないかと思う。現実を直視する自由だと言い換えてもいい。」


「時に、孤独を直視せよ。海原の前に一人立て。自分の夢が何であるか、海に向かって問え。青春とは、孤独を直視することなのだ。直視の自由を得ることなのだ。大学にいくという豊潤さを、自由の時に変えるのだ。自己が管理する時間を、ダイナミックに手中におさめよ。流れに任せて、時間の空費にうつつを抜かすな。」

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有名なスピーチですから知っている方もいるかもしれませんが、気になった方は「立教新座 渡辺憲司」と検索していただけるとトップにヒットします。私はこれを次のように解釈しています。


よく「大学生は人生の夏休み」だとか「大学生4年間は自分の好きなことをしたらいい」と言われる。好きなことや夢中になれることを見つけること、そしてそれに没頭することはすごく大事だが、それを文字通りに受け取ることがあってはならない。好きなこと・やりたいことを通じて、自分がどのような人間であるのか、自分は何が好き/得意で、何が嫌い/苦手な人間なのか、どういったときにやる気がでるのかetc. とことん自分のことを理解する4年間が、大学に進学する4年間なのだ。その手にした長い時間の中で、自分という人間に向き合い続ける時間にしなければならない。


私はこのスピーチの一部を胸に大学生活を始めたつもりでした。しかし夏の私は既にそんな覚悟を忘れ、部活・バイト・遊びに時間を費やし、予定を一杯にすることで(謎の)安心感を覚え、忙しいことを理由、いや言い訳にして好きなことだけをして、面倒臭いことなどから逃げた時間の使い方をしていました。いつしか時間に追われる生活をして、ときに家族に迷惑すらもかけ、気づけば4年間という貴重な時間を疎かにしていたのです。


これが後悔と反省の正体です。

そのことに気づいたのは引退してからのことでした。ラクロス部に入部したことは微塵も後悔していませんが、この世で唯一平等に与えられた”時間”という貴重なものを無駄遣いしていました。


後輩には同じ道を歩んで欲しくはありません。カレッジスポーツ・ラクロスという魅力的なスポーツに熱中して日本一を目指し、そして是非とも達成して欲しいですが、「自分の時間」というものも大切にして欲しいです。「自分の時間」というのは「ラクロス以外をする時間」のことではありません。自分という人間に向き合い、対話し、理解するための時間ということです。練習に向かう電車の中、普段の練習中、仲間と食べるお昼ご飯、壁あてや筋トレの時間、ミーテやテーピング練習の時間などあまり変わり映えのしない日常の中でも、ふと抱く自分の気持ちに大切に、そしてそれに素直に正直に向き合って「なぜそんな気持ちを抱いたのか」考えて欲しいです。その小さな感情が、自分という人間を形成するピースであり、その小さな理由が自分を理解する一助に必ずなります。


そして、自分を正確に理解することができると世界は一変します。私は大学4年の夏終わりに一変しました。

自分の軸となる物事の考え方や、何があろうとブレることのない価値観(俗にいう「信念」)といったものが意識できるようになり、未来に対して根拠のある自信がもてるようになりました。先の見えない不安に対する恐怖が和らぎ、わくわくに満ち溢れるようになります。


学生がラクロスをする4年間という長い時間の中で、「このままでいいのだろうか」とか「学生日本一を手にすることはできるのだろうか」といった漠然とした不安に襲われることが多々あります。途中で退部する仲間も沢山見てきました。そんなとき「自分への理解」が必ず役に立ちます。まだ1年以上「海を見る自由」がある後輩は是非、ふと自分を見つめ直す機会を沢山設けて欲しいなと思います。



次に、今年度のリーグ戦を振り返って今の想いを率直に書き残そうと思います。第二部です。

【第二部】

ラストイヤーのリーグ戦は7年ぶりのfinal4進出を果たすも、慶應義塾大学に敗れて終わりました。


いま、この第二部を書いているのはその2日後の10/22です。率直に今の感情を表現すると、それは「言葉では言い表せない虚無感」というものでしょう。これは「悔しい」なんて安い表現で現せるものではありません。慶應ラクロスを4年間ずっと意識してきたからこそ、勝たなければならなかったし、勝てると思っていたし、そしてなんとしてでも勝ちたかったのです。



慶應義塾大学は学生がラクロスをする上では見過ごせない相手です。他の大学なら見過ごせるという意味では決してありません。しかし言わずもがなラクロスは上手いし、応援はすごいし、移動が革靴なのカッコいいし、SNSのフォロワーは沢山いるし、SNSの画像はカッコいいし、Pump up動画はイケてるし、慶應が試合するってだけで沢山の人が集まるし、、、etc. 名実ともに学生ラクロス界のトップに君臨しています。


そんな慶應義塾大学を私が意識し始めたのは1年生の秋でした。

雨でぐちゃぐちゃの検見川グラウンドを、砂と土で埋めて踏み固めてグラウンドを作るところから始めた21リーグ戦で先輩方が惜敗し、そのまま慶應義塾大学が社会人チームStealersに勝利して真の日本一に輝いた年でした。

「なんだこのチームは…」と驚愕しました。ラクロスを始めて1年が経とうとする時ながらに、「学生が社会人に勝つなんてことがあるんだ…」と唖然としたのを今でも覚えています。間違いなくその当時は慶應ラクロスが憧れの的になりました。ある種ファンのようなイメージです。某DFコーチ曰く「義務教育だ」と噂の応援歌・若き血も歌えるようにしました笑


しかしそんな想いは、ラクロスにのめり込むにつれて変化していきました。Bチームすらも強くて、練習試合すらも勝てない、けれどそんな常勝軍団・慶應を倒したいと考えるようになったのです。その転機は私が3年時の2023早慶戦を観戦しに行ったときでしょうか。これまでは憧れが強く、そして「倒せない相手/倒せなくても仕方のない相手」だと自分の中で勝手に思い込んでいたチームに対して、「倒したい」と意欲的に思うようになったのです。


その要因は間違いなく同期の存在です。

ラクロスが大好きで、自主練も筋トレも地道に頑張り続けられる、また負けず嫌いで、仲間思いでもあり他人のためにラクロスができるアツい同期選手です。さらに選手のことを常に考え、視野が広く進んで仕事を探し、耳の痛いことも指摘できる頼もしい同期チームスタッフもいます。そんな私の自慢で大好きな同期と、日本一を狙う資格はあるが環境がないことを全員で認識し、そして誰ひとり疑うことなく「24シーズンは学生日本一を必ず成し遂げる」と決めたことで、そしてそう思わせてくれたことで、この日にファンを辞めて「倒したい相手/倒さなくてはならない相手」だと思うようになりました。



そして迎えた4年の夏、予選では慶應義塾大学と戦うことはなかったものの、Final4という大舞台で戦うチャンスを手にしました。予選で明治学院大学に敗れたことは悔しかったものの、Final4という大舞台で、慶應義塾大学という不足のない相手とお互いの4年間をぶつけ合えることに嬉しさと興奮を覚えました。非常にわくわくしていました。この大学を倒さねば学生日本一が掴めないことは理解していたから、既に覚悟はできていたのでしょう。


結果は1-3で敗退。


ものすごく追い詰めたと個人的には思っています。が、追い詰めただけで勝つことはできませんでした。慶應ラクロスという大きな魔物に飲み込まれた有象無象のチームのひとつになってしまいました。慶應ラクロスの牙城を崩すことができなかったそのとき、負けた悔しさなんて安いものは残りませんでした。心にぽっかりと穴が開き、24SERPENTSが終わってしまうことへの恐怖を抱き、そして満杯だった大井のスタンドを茫然と眺め、立ち尽くしました。足が震えました。終わってしまったという受け入れ難い事実と恐怖をほんの少しずつ理解しながら、この光景を一生忘れないようにと目に焼きつけていました。



涙を流す私に多くの同期選手が「ごめんな」と声をかけてくれました。が、私は彼らに


「支えさせてくれてありがとう」 


そんな言葉をかけたいです。

「学生日本一になる」という目標を掲げてから、選手は相当の覚悟を決めて努力してきたに違いないからです。7年ぶりにFinal4の舞台に立ち歴史を変え始めたその裏には、1部中堅校として立ち往生し、日本一の光景を想像することすら難しかった環境を跳ね返すだけの強い意志と行動力があったに違いないからです。そんな彼らを尊敬するとともに、4年間も彼らをサポートできたことを幸せに感じます。


また、「若き血」が聞こえないくらい大きくて力強い声援をくれた後輩たちも、スタンドで涙を流していました。この24SERPENTSというチームは本当に愛されたチームで、だからこそここで負けるべきチームではなかったのだと改めて思いました。内輪で「いいチーム」どまりになってしまうのが本当に惜しく悔しい…。



この気持ちが晴れることは数年ないでしょう。同期で再会した時にはまた悔し涙を流すでしょう。しかし「人の想い」というものは何にも変え難い、人の原動力だと思います。これからのSERPENTSにはこの想いが必ず灯り続けるでしょう。そして、この想いを一緒に抱いてくれた頼もしく可愛らしい後輩たちが、いつの日か学生日本一に輝いてくれると信じています。


私の大好きなSERPENTSがこれからも強く、そして多くの人に愛される組織でありますように。



【第三部】

最後に、私の4年間を語る上で感謝を述べずにはいられない方々を、代表して数名紹介させていただきます。


まずは、21STFの井場さん。

途中から転向してSTFに入った私を喜んで受け入れてくれて、厳しく優しく育成してくださりました。4年間の中でただ1人、私の直属の先輩です。引退後も、"なんだかんだ言って"私の活動を気にしてくれて、毎年リーグ戦を応援にしに来てくださりました!笑 そんなツンデレな井場さんが大好きです!これからは一緒にOBOG側で応援できること、楽しみにしています!


次に東大ラクロスOB 木戸さん。

私が1年生の秋に3年の木戸さん(痩せてるver.)と出会いました。本人は「覚えてないんだよね〜」なんて言ってますが、木戸さんが「審判上手いね、センスある」と褒めてくれたあの日から、審判を頑張ろうと思ったんです(なんとも彼は褒め上手ですね、私がチョロいのでしょうか)。この頃はチームスタッフに男性がいるチームが少なかったので、兄貴のように慕い、頼りにしていました。本当にありがとうございました。これからも一緒に審判できること、楽しみにしています!


そして福山、えみこ、ひなと廣瀬。

みんなのおかげで4年間がほんとに楽しかったです。

なんでも話せる居心地がいい仲間であり、審判活動を切磋琢磨できる仲間であり、くだらないバカができる仲間であり、私にとってみんなはそんな大切な存在でした。みんなに出会えてほんとに幸せでした、本当にありがとう!そしてこれからもよろしくね!!


審判部のみなさんにも沢山お世話になりました。名前順に失礼します。

と思って羅列したらとんでもないことになったので、名前を出すのは控えます!(近藤さん、名前ないってまた拗ねないでくださいね❤︎)みなさん本当にありがとうございました!愚息ですがこれからもよろしくお願いします!!


学生派遣担当を一緒に頑張った花音、社会人ゼブラのみなさん、後輩ゼブラのみんな、KOREA Lacrosseゼブラのみなさん、本当にありがとう!そしてこれからもよろしくお願いします!!


同期ゼブラのみんなは名前を出す約束をしました。なに考えてるか分かんない不思議ちゃんの紗英、強い自分を持ったssdmのあかりん、廣瀬と福山をこの世で唯一下の名前で呼ぶかほ、みんなに愛された憎めないおバカさんのたかれな、今日も頭ん中はお花で満開な赤ちゃんのなぎちゃん、大学もラーメン屋も辞めたえいさく、みんな本当にありがとう!社会人になっても審判しよーね!(書ききれなかった方、ごめんなさい)


各大学HC、選手(特にFoer)、学連、JHT、のみなさんにも感謝申し上げます。本当にありがとうございました!



そして家族、愛犬ラッキーと、土日に1度も入らなかったのに怒らず雇い続けてくれたGongcha店長にも感謝します。これからは家族との時間を大切にしたいです。





引退ストーリーを載せたら100人近くからいいねがきました。ラクロスに出会い、そして審判活動を通じてほんとに沢山の人と出会い、様々な考え方に触れることができ、人に恵まれた最"幸"な4年間だったことを改めて実感しました。大好きなラクロスに捧げた4年間、学生日本一こそ届かなかったものの、かけがえのない仲間に巡り会うことができ、そしてかけがえのない経験をたくさんすることができました。


「海を見る」ことはなかったけれど、私の4年間は何物にも変え難い大切な時間になりました。


2024年11月1日 24STF 清村祥伍

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次はMGからSTFに転向して約1年(??)、同じポジションとして活動した高野kikiさんです! 

かなりのラクロス好きで、好きなチームはStealersだとか。愛犬にアズキチマルという謎の名前をつけた和歌山の神童が書くブログに注目です。



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