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2024

『1点への執着』AT/MF 栗林彪

途中入部ではあるものの、すぐにその敏腕STF枠を勝ち取ったさえさんから回ってきました、栗林彪です。彼女は、兵藤くんのとんでもなくえげつない内容の下ネタを、いとも簡単に浄化された物言いへと処理します。下界の汚物を見るようなあの目を僕は忘れません。

兵藤くん、彼女は僕たち人間の命ともいえる通信量を握っているので気を付けましょう。


改めまして#1 AT/MFの栗林彪です。

まずは、SERPENTSに関わる全ての皆様、平素より多大なるご支援・ご声援をいただきありがとうございます。ラクロスの面だけではなく、就活やスポンサーとしての支援など、今シーズンは特に多方面にわたりOBOGの方々の存在に助けられました。一プレイヤーとして感謝申し上げます。


さて、ついに僕にも引退ブログなるものを書かなければいけない時が来ました。

思えば順風満帆な学生ラクロスライフではありませんでしたが、学生最後の喜怒哀楽のすべてをこのSERPENTSにかけたことに後悔はありません。

何を書こうか、FINAL4以降ずっと考えてきましたが、結局まとまらなかったので自分なりに4年間の部活を通して大事だなと思ったことを書こうと思います。

拙い文章かつまとまりのないものになってしまいましたがお付き合いください。


「1点への執着」



初めに、引退ブログと言えば、僕にはバイブルのように大事にしている引退ブログが2つあります。

1つ目は、23破天荒シーズンSCの野村航大くんのブログです。

ここに書いてあることをまとめると「いいから点取れ」的なことが彼なりの言葉でたくさん綴られています。


そして2つ目は、昨年学生日本一を成し遂げた日体のDF礒田晃一郎くんのブログです。

この礒田くんのブログは何回も読み直すほど僕にとってかなり影響の大きかったブログです。なぜこのブログが僕にとってかけがえのないものなのか、それは昨年リーグ日体戦の1on1で負け、目の前で吠えられたからでしょうか笑

それもありますが、3年時冬の僕の心境をうまく言語化してくれていたからです。

彼と全く同じ状況だというのはなかなか失礼なことだとは思いますが、僕なりに解釈して話させてください。


当時の僕は先発であるにもかかわらず0G0Aかつ脳震盪のために最終戦欠場という結果でシーズンを終え、自分に自信なんか持てる訳はなく、自己肯定感は底をついていました。そのため何か役職を持とうなんて頭によぎりもしませんでしたし、チームに対して背負う責任なんかいりませんでした。


無事、何の責任もない立場を得ました。


自分の技術向上だけに目を向けることのできる1年生のような立場を得ました。


先輩が引退して始まった合同練期間では、かなり楽しくラクロスができましたし、裏からのまくりであったりクリースプレーもかなり自信を持てるようになりました。

そんな時、ちょうどクリスマスを前に、手のひらの鈎爪みたいな骨が折れて3か月に渡る長期アウト期間に入ってしまいました。


「リーグ戦間に合うのか?」


こんな不安が頭から離れず、張り合いのない毎日を過ごしていました。


そんな時、礒田くんのブログに出会いました。


そこから僕が感じたことは、

「このまま自分のことばかり考えていていいのだろうか?」

「0G0Aの俺にだって、何かチームにできることはあるんじゃないか?」

と考えるようになりました。


そこで、礒田くんは「継続力」をもってチームに貢献しようとしましたが、僕は一言でいうと「変化」でチームに貢献しようと決めました。


「1年でこれだけ変われるんだ」

「あんなに下手だったのにリーグ戦で点取れるようになるんだ」

「あんなに小さくて頼りなかったのに、こんなにお尻が大きくなるんだ」


このような姿を、1年を通して実際に見せることで、

「どん底のあいつがここまでできたんだから自分はまだましか」と悩める後輩が元気になってほしいなと思い、この「変化」を見せようと決意しました。


特に、上手いのにすぐ自信を無くしがちなハルトくんと佐伯くんに見せたかった。

大丈夫、お前らは俺よりはるかにましだよ笑


町田と寧は大丈夫かな。割と適当にラクロスしてても上手いし、何があっても努力は継続できる人間だと思うので。


話が脱線してしまったので戻します。




さて、こうして「変化」を掲げて頑張ろうと決意したところで、航大の「点取れ」というブログをもとに得た教訓「1点への執着」に繋がっていくわけです。




ここからが本題です。


この「1点への執着」につまった重要な要素として僕は2つのことを挙げたいと思います。



1つ目は、「目の前の1点を虎視眈々と狙う」というものです。


2つ目は、「再現性のある形を追求し続ける」というものです。



まず1つ目についてです。


これはもちろん航大の影響を受けた言葉です。


6on6練習でも試合でも分解練でも、とにかく点を取ることにこだわれということです。

特にオフェンスマンは点を取ることが全てです。

点に絡めなければ何の価値も無いと言っても過言ではないとさえ思います。

点を取らなければ、チームを勝たせることはできませんし、点を取らなければ練習の意味なんかありません。

オフェンスマンは点に絡むことでしかチームの信頼を勝ち取ることはできません。

点を取らなければ、誰も自分を評価してくれません。


この1年間、毎練習・毎試合で必ず点に絡まなければならないと日々自分にプレッシャーをかけていました。

点を取れなかった練習や試合の後は圧倒的な虚無感と恐怖を感じていました。


「このままじゃリーグ戦で点取れない。やばいやばい汗汗」


正直、この1年間はこれしか考えていなかったかもしれません。

気づいたら引退していました笑

いまだに「次の試合で点取れればいいか。ゴールパフォどうしよう」って考えている自分がいてさすがに怖くなります。




しかし、こうして目の前の1点を欲しがるだけではリーグ戦で活躍できないと思いました。

なぜなら、上手い選手の共通点として、それぞれが持つ武器の再現性が高いということがあり、「裏からの脅威を出せる選手になる」という自身の目標を十分に達成できないと考えたからです。

身体がでかいだけで、相応のクロスワークやショットの形がなければ、いくら激ウマバケモンプレーが出来たとしても試合で活躍できません。


それはただ“できた”だけであり、“できる”つまりそれが武器である選手になったということを意味しません。僕はそれを3年時の貴重な1年間をかけてやっと思い知りました。


体格の良さやダッチがキレるといった強みから織りなされるプレーの再現性が高くなければ、継続的に活躍し続けることは難しいと思います。



そこで2つ目の「再現性のある形を追求し続ける」が出てきます。


このことについて、ラクロッサーなら言わずと知れたじゅんぽさんのインスタ質問箱でこんなことが質問されていました(勝手に引用してしまい申し訳ありません)。




「…リーグ戦が始まって点が取れず…不安になります。練習では良い感じに取れるのですが、試合では練習通りにできません。試合で練習通りの実力を出すコツやポイントが知りたいです。何かアドバイス頂けませんでしょうか。」


これに対する返答は以下の通りでした。


「ラクロスは得点が全てだと思うよ!全ての選手の過程は得点の為にあるので♡…練習では出来てるって言う子よくいるけど、その練習は試合通り、試合以上ですか?と、問いたい。もしそうじゃないなら、その練習で出来ても試合で出来ないのは当たり前だよね♡…実力を出すコツというか、その試合で点を取る実力が自分には無いと気がつくところからですね。」

(出典 じゅんぽさんのインスタグラムストーリーズより)




まさに3年時に僕が陥っていた状況です。練習で自分の形を出せてはいるけど試合では出来ない。

それは緊張だとかいう単なるメンタル面での問題ではありません。

その試合、その瞬間に、練習で出来ているようなプレーを試合で出す実力が自分には無かっただけなのです。

自分自身の課題、そしてどのような心持ちでラクロスに取り組むべきかをうまく言語化してくれたじゅんぽさんに感謝したいです笑


以上のことから、改めて「1点への執着」というものを大切にしてほしいと思います。


ただ、点を取るだけじゃありません。


“自分の形で”点を取るのです。



ジェイクテイラーみたいなクリースショットで点を決めたいのに、ランシューばっかり練習していてもクイックなんか打てませんし、もしかしたらそのランシュー練は意味なかったなんてことにもなりかねません。


どんなプレイヤーになりたいのか?

目標とするプレイヤーはどんな点を決めるのか?

そのためにはどんなトレーニングが必要なのか?

今の自分には何が足りないのか?

フィジカル面やラクロス的な技術面など、考えればキリがないと思います。

1年間の練習や試合でできた、自分の理想となるプレー動画をお気に入りスタンプ付けて集めてみるといいと思います。

そこから、そのプレーに必要な要素を見つけて注力すべき事項をまとめてみると、“自分の形”が理解できるようになると思います。


そうして、再現性の高い“自分の形”による得点を虎視眈々と狙い続けること。

これが僕の伝えたいことです。




ここまで随分と偉そうに語ってきてしまいました。そんな活躍してないだろと言われたらそれまでですが、どん底から目の前の1点に手を伸ばし続けてきた自分にしか言えないことかなと思ったので、この場を借りて語らせてもらいました。


どこかの、点が取れなくて悩み、リーグ戦を前に不安に襲われているラクロッサーを勇気づけることができたら幸いです。





最後に面と向かって感謝を伝えられないのでここで。


両親へ

とにかく感謝しかありません。

「学生最後に何か大きなことにチャレンジしたい」という要望を聞いてくれて、様々な面で支えてくれました。本当にありがとう。

一生かけてちょっとずつ恩返ししていきます。卒業までまだもう少し見守ってやってください。






次は、ほんわか系TRの皮をかぶった暴力系酒豪のりのです。彼女には、フィジカルメニューを作ってもらったり、「痛いの痛いの飛んでけぇ」をしてもらったりと、たくさんお世話になり本当に感謝してもしきれません。

彼女と某プレイヤーから聞こえる結婚の足音がドタバタうるさいので、さっさと決意してほしいものです。スピーチの準備はしておきます。


それじゃあ、りのよろしく!!



WRITER:栗林彪
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